物価高や税負担の増加に対して、各国では生活者を支えるための現金給付やバウチャー制度が実施されています。
今回紹介するのは、シンガポール政府が実施している「GST Voucher – Cash」です。これは、シンガポールの消費税にあたるGSTの負担を和らげるため、低所得・中所得層の国民に現金を支給する制度です。
対象となる人は、最大で850シンガポールドルを受け取れる場合があります。日本円にすると、概算で約10万6,000円相当となる大きな支援です。
GST Voucher – Cashとは?
GST Voucherは、シンガポール政府が導入している恒久的な生活支援制度です。政府公式サイトによると、低・中所得のシンガポール世帯を支援し、特にGST負担を軽減する目的で設けられています。現金給付のほか、高齢者向け医療口座への入金、公共料金の補助、住宅関連費の補助など、複数の支援メニューがあります。
その中でも「Cash」は、日々の生活費に使いやすい現金給付です。公式情報では、対象者には毎年8月ごろに支給されるとされています。
対象者は?
2025年分のGST Voucher – Cashについて、主な対象条件は以下の通りです。
対象となるのは、シンガポールに居住するシンガポール国民で、2025年時点で21歳以上の人です。また、所得や居住している住宅の年間価値、不動産の保有数などによって対象可否が決まります。公式サイトでは、2023年所得に基づく課税所得が39,000シンガポールドル以下であること、居住住宅の年間価値が31,000シンガポールドル以下であること、所有不動産が1件以下であることなどが条件として示されています。
いくらもらえる?
支給額は、住宅の年間価値によって変わります。
居住住宅の年間価値が21,000シンガポールドル以下の場合は、最大850シンガポールドル。年間価値が21,000シンガポールドル超、31,000シンガポールドル以下の場合は、450シンガポールドルが支給されます。
たとえば、対象者が2人いる世帯で、2人とも最大額の対象になれば、
850シンガポールドル × 2人 = 1,700シンガポールドル
を受け取れる可能性があります。
支給方法・支給時期は?
すでに過去の政府給付を受け取る登録をしている対象者は、原則として追加手続きなしで受け取れます。受け取り方法は、PayNow-NRIC、銀行振込、GovCashなどです。2025年分については、PayNow-NRICなら2025年8月6日以降、銀行振込なら8月15日以降、GovCashなら8月22日以降に支給されるスケジュールが案内されています。
また、過去に登録していない対象者については、2026年6月20日までに手続きすれば、登録後おおむね2か月以内に受け取れるとされています。
日本在住者も申請できる?
注意したいのは、この制度はシンガポール国民向けの制度であり、日本に住んでいる人がそのまま申請できるものではない点です。
海外の給付制度は、国籍、居住地、所得、税務情報、不動産保有状況などをもとに対象者が決まるケースが多いため、似たような制度を調べる場合は、必ず現地政府や自治体の公式サイトで確認することが重要です。
まとめ
シンガポールの「GST Voucher – Cash」は、GST負担を軽減するために設けられた現金給付制度です。対象となる低・中所得層のシンガポール国民は、条件を満たせば最大850シンガポールドル、概算で約10万6,000円相当を受け取れる可能性があります。
物価高対策として、日本だけでなく海外でもさまざまな給付金や生活支援策が実施されています。海外制度を紹介する際は、「日本在住者が対象とは限らない」ことを明記したうえで、公式情報を確認することが大切です。

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